動作改善実例3 中学2年生 右打ち【改善期間3ヶ月(週1回)】
ビフォーアフター解説テキスト
【before(ビフォー)】
改善前のフォームで特徴的なことは、スイングでの回転に合わせて顔が一緒に向きを変えていることです。
これは、骨盤と上体が一体となって動いているときに起こる現象で、このような動作では、上体の回転がボトムハンド(投手側の腕)を介してバットを引き出す働きが起こらないため、振り出しからトップハンド(捕手側の腕)中心にスイングが行われて、必ず『遠回り』のスイングとなります。
また、トップハンド中心に振り出しが行われると、手首の返しが早く始まるスイングにもなります。そのため、ストレートには詰まりやすく、外の球は引っ掛けやすく、変化球は待てず、芯で捕らえた打球は引っ張りの方向に切れやすくなります。
この選手は、バッティングセンターでは、すべて右方向に詰まったゴロしか打てませんでした。
【After(アフター)】
改善後は、踏み込みに合わせてテイクバックを行うことで、着地時点の『トップ』では、骨盤と上体との間にいわゆる『割れ』のストレッチ状態を一瞬作り出しています。
その『割れ』があることで、上体には、背骨を軸とした鋭い回転動作が生まれ、ボトムハンドのリードで振り出しからインパクトまで素早くバットを前に運ぶことが可能になっています。
もちろん骨盤の回転は踏み出し脚を支点にして、その股関節を軸に行われています。この踏み出し脚の股関節を軸とした骨盤の回転がなければ、ボトムハンドでのスイングのリードも不可能です。
この改善後のスイングを習得した3ヵ月後には、4割を超える打率を残すようになり、関西地区の代表として「JAPAN」のユニフォームに袖を通すまでになっています。
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