どのくらい通えばいいのか

「どのくらい通えばいいのか」、これは、個人差があることと分かってはいても、もっとも気になることでしょう。
実際に、1回のレッスンでほとんどのことを吸収して、文字通り「大変身」する選手が普通にいる一方で、1回目でできるようになったことが、翌週にはところどころ忘れていて、またそれをできるようにする、といったことを毎週のように繰り返しながら少しずつ成長していく選手もいます。

こうしたすべてのケースを総合して、もし、レッスンを継続するなら、どの程度の期間見ておけばいいのか、
指導経験上からの目安をお伝えしておきます。
あくまで強いて挙げるという前置きで、吸収が早い選手も、遅い選手も、その期間継続的に取り組めば、短期間で向上できるほぼ上限に到達できるだろうというラインを基準として考えるならば、
『毎週1回のペースで8週間(=計8回)』というのが私の感触です。

それは、4回の場合、まだ短期間で延びる余地が十分に残されている段階で終わってしまう可能性が高く、8回の場合なら、そこまででまだ習得しきれないポイントが残っていたとしても、その原因は関節可働域の不足などの身体的条件にあるケースがほとんどで、その改善には、ある程度、中・長期的な取り組みの積み重ねが必要になるからです。

動作習得の流れ

どの選手でも、動作の習得には、大きく分けて、次の三段階の流れをたどります。

  • ①動作全体の連動のポイントを、ひと通り荒削りにでも習得することにより、初期段階で大きな変化が得られる。
  • ②荒削りに習得した動作を細かく修正していくことでパフォーマンスの精度が増し、さらなる向上が得られる。
  • ③なかなか改善し切れないポイントは、部分的に関節の動きが悪く、思うように身体が動かないことなどが根本原因としてあるので、身体の使い方の意識的な反復と体操やトレーニングの継続によって、少しずつ成長していくか、なにかのきっかけで「わかった!」という瞬間が訪れる。

特に吸収力が高い選手

大学、社会人、プロなどに多い、特に吸収力が高い選手ならば一回目で①をクリアし、2回目で②をクリアして、それだけでも、即、グラウンドでも発揮できる適応力もあるので、そこで済んでしまう場合もありますし、まとめも含めて4回も行えばかなりの成果が期待できると思います。

吸収力が高めの選手

小学生でも高校生でも年齢に関係なく、吸収力が高めの選手であれば、1回目で大きく変わり、2~4回目くらいまでは毎回順調に上達して、ちょうど②の段階が終わるあたりとなり、あとは、部分的に関節が硬いことなどによって、どうしても苦手な動きが残れば、そこからの成長は緩やかになり、動作の意識的な反復とトレーニングとの地道な取り組みが必要になるでしょう。

身体が思うように動かないタイプ

年齢に関係なく、多少不器用で身体が思うように動かないタイプで、でもよく練習はするという選手であれば、1回目か2回目で大きく変わり、6回目~8回目くらいまでで、身体が動く範囲で②の段階が終わります。そして、③の段階の中で、②までの動作を少し忘れますが、また動きを取り戻す練習を行うことによって、たいていは以前よりも理解度も動きのレベルも上がるので、それを繰り返して、少しずつ身体が動くようになっていきながら、確実に上達していきます。

身体が未発達の小学生・関節が硬い小中学生

小学生の低学年で、まだ身体の発達度合いが未熟であったり、中学生くらいでも、関節が硬く、自分の身体を十分にコントロールできなかったりするような選手でも、例えば、1~2回目、3~4回目、5~6回目と、小分けに①の段階の大きな変化が得られます、しかし、部分的に忘れてしまうことも多いため、根気強く練習を継続して、何度でもできるようにしていくことになります。

その繰り返しにより、次第にできるレベルが上がっていき、あるところを境に急激な成長を見せる場合がほとんどです。このような選手の場合なら、大きな成長の波が一旦緩やかになるのは、8回から12回程度がひとつの目安となりますが、それ以降でも、少しずつ成長していくため、半年後、1年後には別人のようなパフォーマンスを獲得しています。

吸収力の差は、「自分の身体を意識的にコントロールする能力」や「理解力」の違いなので、選手人口の多い小学生から高校生くらいまでは個人差が大きく、大学生以上であれば、1回で多くのことを吸収する下地は十分にできていると思っていいでしょう。プロ選手は本当に大きく変わります。その『潜在能力』がドラフトで選ばれているのです。

ベースボールパフォーマンスの基本スタンス

ここまでは、継続することを前提に目安をお伝えしましたが、それは、あくまで理想であり、私達の基本にあるのは
「必要なときにご予約いただき、毎回、真剣勝負でいけるところまでいきます」というスタンスです。

選手の吸収力はやってみなければ分からないこともあり、また、ただやるべき動作を誤解して、自ら悪くなるような練習をしていただけという場合も多くあるので、「自分は身体が硬い」「うちの子は不器用だ」と思っていても、1度で基本的なことのほとんどを吸収してしまうのは珍しいことではありません。私達からすればそれが日常です。

また、すべては吸収しきれないにしても、いろいろな問題点の原因がすべて分かり、今後、取り組むべき課題が明確になるだけでも大きな意味があります。ほとんどの選手は感覚的なこと以外、動作については何も知らないに等しく、それが、思うような上達を妨げている一番の原因なので、まず真実を知ることが大切であり、その上で、1回でできるようになる選手が日常的にいるのですから、心の底から「迷わずお越しください」と思っています。

初めからどのくらい通うかを考えるよりも、まず、1度お越しいただき、『動作改善指導』がどんなものなのかを感じていただいた上で、その後のことを考えていただいた方がむしろいいと思います。

BCSの野球動作のメカニズム理論に基づいた動作改善指導を受講された方からのコメントの一部を紹介します

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